昔、バイクでの配達の仕事をやっていた時の話です。
とある下町の頑固親父みたいなお客さんがいました。
その人は配達の依頼主で、その人の会社の商品(手作り)が出来上がり次第、
商品を受け取って配達先に届けるという仕事がありました。
商品が出来上がってから、配達の依頼を出せばいいのに、
大至急なのか、大抵、出来上がる1時間近く前から配達の依頼が来て、
その会社に向かいます。
到着しても、「ちょっと待っててな」と商品がまだ出来上がってないので待たされるわけですが、そのちょっとがものすごく長く、1時間くらい待たされたりするわけです。
で、待たされた場合、15分置きに追加料金を加算するというルールになっていて、
相手もその事を知っています。
ただ、お得意さんという事もあったので、1時間待たされても、「まあ30分待ったって事にしといてあげよう」と思って、実際に準備が出来た時に「追加料金30分ぶんが加算されまして、〇〇円です」と伝えるわけですが、
その下町のおっさんが大抵ここで怒鳴りつけてくるのです。
『なにが追加料金じゃボケ!常連やぞ!それを追加料金ってなめとんか!』とか文句を言ってくるのです。「え~、まけてあげてるのに、本当になんなんだこの人。。」とどうしようか考えていると、
大抵、奥さんと娘さんが出てきて、『ごめんなさいね~払いますから、はい、どうぞ、じゃあ荷物お願いしますね~』とか言って、申し訳なさそうに対応して送り出されます(爆)。
他の配達員の人も同じ状況になるので、あの会社には行きたくないと言っていました。
そう、自分の会社の方針とお客さんの方針で板挟みになって、胃が痛い思いをするわけです。
中間管理職の人なんかは上司と部下の間で板挟みになったり、「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」状態で疲れ切ってる人も多いと思います。
でも、当時の私と今の私では性格が全然違うので、
今の私なら板挟みになっても胃がキリキリする苦しい思いをせず、
自分が苦しまないで済む対応を取っているはずです。
一人で抱え込むクセを直そう
よくよく考えてみると、なぜ当時はそうやって一人で毎回悩んで、
嫌な思いをしていたんだろうと思います。
例えば、実際にそういうふうに文句を言われたら、
すぐに会社に電話して、
「お客さんに文句を言われたのですが、常連さんですし、今後追加料金は取らないべきでしょうか?それともこちらも毅然とした態度で対応するべきでしょうか?」
と上司に指示を仰げば良かったのです。
それで『じゃあ、追加料金取らなくていいよ』と言われれば、それはそれでもう文句言われずに済みますし、
『いや、揉めてもきっちり取って。常連とか関係なしに』と言われたなら、今度怒鳴られたら、「いえ、上司にきっちりお宅から追加料金を取るように指示されたものでして、あの~良かったら上司と話しますか?」と、その場でケータイで上司とつないで、上司に直接対応してもらえば良かったわけです。
なのに、昔の私は何でも自分が悪いとか、自分で抱え込んでしまう性格で、
人に辛い事を話さない傾向にあったので、無駄に苦しんでいたのです。
子供の時も、先生に理不尽に怒られた、殴られた、濡れ衣を着せられて、反省の居残りをさせられたなんて事もありましたが、そういう事を親には言わずに、むしろそんな事があった事を悟られないように必死でした。
なぜ親に必死に隠してのか今思うと不思議なのですが、きっと厳しい親だったので、話しても先生の味方をされて自分はもっと怒られるのではと思ってたのだと思います。
ただ、そうやって、納得いかない事や理不尽な状態や
板挟み(ジレンマ)状態であなたも今、胃が痛い思いをしているのであれば、
一人で抱え込まず、身近な人や板挟みの片方に遠慮なく話すと良いです。
それでも解決しないなら、
最近ではネットで相談も出来ますし、知恵袋などに投稿して、解決策を探すのもありですよね。(私にも相談メールを送って頂ければ、アドバイスできそうなものには極力返信しますし、このサイトで解決策を書いたりします。逆にモンスターペアレンツみたいに単に被害者意識が暴走してる人には返信しませんが。。)
そう、モンスターペアレンツみたいに、すぐうちの子が被害者だ、あなたが悪いみたいに自分たちの問題を人のせいにしたり、問題を人に押し付けるのも問題ですが、
でも、胃が痛いほど悩んでるとか、板挟みで苦しい、
そういう状態はどう考えても良くないです。
そのせいで、精神や体調を壊してしまったりしたら、
それこそもったえないじゃないですか。
仕事や学校が人生の全てじゃないんです。
そんなのは長い長い人生の一部に過ぎません。
その一部に人生をぶち壊される必要など全くないのです。
板挟みで辛いと思ったら、自分で悩まず、素直に板挟んでる人の一方に解決策を聞く。
それでも「自分でなんとかしろ!」と言われて、誰も助けてくれないのであれば、
そこから逃げてしまうのも大切な事です。
つまりその会社を辞めたり、ボイコットしたり、学校なら不登校になったりという事です。
会社から逃げた友人の逆転劇
実際に私の友人でも、会社で営業をやっていたのですが、会社と取引先で板挟みな上に、全部会社は彼に押し付けて助けてくれなかったそうで、精神的に参ってしまって、ある日突然もう会社に行くのをやめたそうです。
彼はクビになってもまた別の仕事を探してやり直せばいいし、
自分が壊されるよりよっぽどマシだ、
むしろこんなクソみたいな連中に人生壊されてたまるかと思ったそうです。
すると、会社からなんで来ないんだと電話がかかってきた所で、彼の親がカンカンになって、「もううちの子はお宅では働かん!鬱になってたら訴えてやるからな!」とキレて電話を切ってやった所、
数日後、その会社の上層部の者が、菓子折りを持って謝罪に来て、どうかうちの会社に戻ってくれないかと言ってきたそうです。
というのも、営業先のお客さんから「いつもの青年はどうしたんだ?彼はすげぇ良い奴だったのに、なんで突然来なくなったんだ?彼じゃないなら、契約は破棄だ」との問い合わせが沢山来て、会社がピンチになったのです。
そう、結局の所、彼はすごい真面目に仕事してたのに、会社の上司達が彼を評価せず、ないがしろにしていただけなのです。むしろ雑用ぐらいにしか考えてなかったらしいのです。
それが、彼がちゃんと自分を大切に考え、自分が壊される前に、自分を守るために無断欠勤した所、事態は好転し、会社側が改善する事を約束して、彼は会社に戻ったのだそうです。
実際、そのまま彼がクビになってても、それはそれで良かったと思います。
精神や体を壊されるよりはマシですし、虫歯が出来た事なかったのに、この仕事始めてからストレスで虫歯が出来たり、十円ハゲが出来たと言ってました。
そうそんな辛い思いをしてまで板挟まれ続ける必要はないのです。
助けてくれる人を探す。ダメなら逃げる。自分を守る。これ本当に大事です。
多いに失敗すれば好転する!
多くの人は、人生に置いて、仕事が一番大事、学業が一番大事とか思っていて、
失敗してはいけないと思い込んでいます。
いいじゃないですか、失敗すれば。
一度仕事辞めて、実家に帰るとか、実家がないなら生活保護を頼りながら人生やり直したっていいじゃないですか、学校を中退したっていいじゃないですか。
私の友人にも、一度大学の空気に着いていけず、
精神が壊れてしまって中退して引きこもりになったけど、
またその後勉強し直してもっと良い一流大学に入って、有名な会社に就職した人もいます。
だから、いいんですよ、失敗したって。
私も就職失敗して実家に引きこもったり、
起業したけど全然稼げなくてかみさんに養ってもらってた時期とかもありますし、
いっぱい情けない失敗してきましたけど、
今では「よい経験、良い教訓になったな。あの時の失敗があるから今があるんだよな」と思えます。
人生なんて山あり谷ありなので、そりゃどん底の時期とか、アイデンティティ・クライシスと言われる「なんのために生きてるんだろう。。自分の存在価値はないんじゃないか」みたいな時期って誰にでもあります。
でも、それを含めて人生なんです。
映画やアニメ、ドラマだってそうですよね。
絶望があって、でも絶望を最終的に主人公がいろんな人と出会いながら乗り越えて強くなるというストーリーだから感動するし、共感しますよね。
だから、失敗しても全然いいし、
板挟みにあったら、一人で抱え込まず、まずは板挟んでる人に相談してみる。
ダメなら他に助けを求める、助言をもらう。
それでも解決せず自分だけが理不尽に辛い思いをするなら、壊される前に逃げる。
そして、そこから人生をリスタートすれば良いのです。
リスタートする前が一番のどん底ですから、それ以上落ちる事はないのです。
そこから復活ストーリーを映画のように歩んでいくだけです。
一人で抱え込みぐせがある人は、「抱え込まなくていいんだ。素直に板挟みの原因を作ってる人や身近な人に相談して解決してしまえばいいんだ」と気付いてくださいね。
もっと自分を大切にしてくださいね。